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定窯 黒釉盞

定窯 黒釉盞_a0359358_15541384.jpg
北宋時代 高さ4cm×口径13.5㎝

何と呼んだら良いのだろう。

「油滴天目」でも「禾目天目」や「兎毫盞」でもないのはもちろんだが、かといって「木葉天目」でもない。
強いて言えば、「玳皮盞」風な「曜変天目」といったところだろうか。 

中国では定窯の黒釉磁のことを特に「紫定」と呼んで、天目釉の黒とは区別している。
形は定窯特有の、切れるような鋭さ。きわめて薄造りで端正だ。

高台は口径に比べて非常に小さい。器体が斜めにピンと伸びている。
べっ甲というよりは、猫目石のように輝く不思議な模様が、漆のような黒に浮かんでいる。



by touchinsai | 2016-10-09 17:32 | 定窯